2016年9月26日月曜日

「街と巨大ロボット」のテーマであの人がご講演!

中の人です。

インタビューにお答えくださった吉崎さんが、イベントでご登壇されるようです。


品テクmeetupは「街とテクノロジー」をテーマにイベントを定期的に開催されているようなのですが、今回は何と「街とロボット」。

くまきゅもテーマに入るんじゃない?と思いつつ、内容を観てみると、吉崎さんのトークテーマは「街と巨大ロボット」!

巨大ってつくところが楽しみですね。

街の中に巨大な動く何かがいる状態ってとても危険なんですが、それがロボットだとどう捉えられるのか、吉崎さんの頭の中ではどういう未来が描かれているのか、ぜひ聞いてみたいですね!

19:30から品川シーズンテラスで開催だそうです。

2016年8月2日火曜日

くまきゅ、「けんきゅ!(研究)」始めます

■インタビュー…したのに文字に起こせない

金子(以下、金):えっと…この前、某大学にインタビュー行かせてもらったんですけど…

今井(以下、今):ああ、行ったね。

銭(以下、銭って一緒ですね):行きましたね。

金:何か…文字に起こすの進まなくて…。

今:えっ、折角すごい人にお願いできたのに!

銭:そうですよ!先生、すごいんですから!

金:っていうか、すごすぎて、通常のインタビューの5倍濃縮なの…。

今、銭:あっ、あー…。

金:お使いになる言葉もそうだし、1センテンスの深さがすごいっていうか。
  いちいち専門書引くとか、ググるレベルよ…。
  読んでくださっている方(あありがとうございます)に伝わり切るのかな?

今:確かに。
  最初の10分で分野の研究史概論、次の10分で数年のご研究を説明されちゃったからね!
  あれ、興奮したなあ!やっぱいいね!ああいうすごい人に聞きにいけるの!

銭:ですよね!先生、すごいんですよ…あ、研究ってコーナー設けたらどうですか?

今、金:!

銭:新しい物つくる時って、研究と開発って行き来したり、境界が曖昧だったりするので…。
  このブログゆるいですけど、今井さんの技術もすごいなと思いますし。
  そういうちょっとだけ専門的なことを説明するコーナーがあってもいいのかも。

金:確かに!

今:(俺の開発のハードル上がったっぽい…)

金:でも、堅苦しいのは苦手っていうか、まじめにとか、できないから…(ダメ発言)
  研究ってほどじゃなくて、けんきゅ、的な。
  あはは、くまきゅっぽい!
  ああ、でも、記事を書いていく大変さは変わらないな…orz

■新コーナーの立ち上げ

ということで、次回から研究色の強いインタビューや説明は「けんきゅ!」というコーナー名で記事を書いていきます。難しい内容をお伝えできるように書けるのか、不安もありますが、頑張っていきます!

2016年7月29日金曜日

メイカーズインタビュー#5 水田 千惠 さん 後編



■かわいい女子とのキャッキャウフフとか、夢のような時間…

かわいいメイカー女子、水田さんとカフェでお話楽しい。
「きゅっと」感!

■ロガー(記録魔)の気持ち

金:またしつこくお伺いしますが(笑)
  くまきゅが生活の中に入ることで何か行動のデータが取れたり、データを録ることで生活や人の気持ちに変化が起こるのかなと思うところがあるからです。
  私自身はログを取るのが好きなんで、あまり抵抗感もないし、自分の生活改善に使えるのだったらいいという考えです。



水:私も、割とログ好きです(笑)
  facebook等も時々その目的で使っているんですね。
  社内の開発イベントでも、以前、自宅の家具が持ち主のtweetをするというプロジェクトをやりました。
  鏡なら鏡が近づいた距離で、持ち主のことをTweetするんです。ソファとか。
  そうすることで、間接的な分析というか、ログを取得しようとしたんですね。
  人の「様子」を録るというか…。

金:なるほど。健康状態とか、生活の状態とかありますね。

水:くまきゅも、心理面での間接的な取得はあるかもしれないです。
  一定期間内のハグする頻度で、子供が寂しがっているとか、不安になっているとか。
  親からどうしたの?と聞けるかもしれない。

金:そうですね。くまの形をしているとそれもあるかもしれないですね。
  某大学のセンサ研究の話をお伺いした際に、色々な取得の仕方があると聴いて、面白いなと思いました。
  トイレの芯に加速度を入れると、入退室だけでなく、個人特定までできるようです(笑)
  画像解析もディープ・ラーニングを前提とすると入れたいところではありますが、プライバシーへの懸念があるため、足音だけを取得するようなことも考えたと言っていました。
  くまきゅも、何か間接的取得をできるといいなと思うんです。
  私自身はログ取得代わりと好きで。自分に返ってくると面白いなと思うんです。
  運動していないなとか、行動範囲が狭いなとか。
  やっぱり取得した内容を送る先は家族なんですかね?

水:私自身は、母が心配症で、結構連絡してくるというのがあって。
  でも、facebookの投稿を妹が観て、元気そうだと報告している形になっているんですね。
  電話の回数は格段に減りました(笑)
  前は本当に1週間に1回かけてきていたんです(笑)
  心配症で…。
  でも、心配でやきもきするよりも、有効に時間を使って欲しいという気持ちもあるので、それはいいことかなと思ってます。
  でも、一方で、ネットというか、こういったスマホみたいな機器が不便と思うところもあるんですよね。

金:と、いうと。

水:今は妹という存在がいるから伝えられていますが、スマホやPC,SNSみたいなものって覚えて使うのにハードルがあると思うんです。
  私達だって、覚えるのはすぐですが、取り出して、ロック解除して、アプリ立ち上げて…みたいな。
  操作も手間ですし、ログとかも私も好きですけど、そのために何をやっているのかなと思うことはあります。

金:なるほど。


■くまキュみたいなものが生活に入る時の間接的なログ取得、そして返し方


笑顔❤
金:まあ、ログを取得して何かしら返すとして、返し先って誰なんですかね?

水:うーん、家族なんじゃないですかね?
  私自身の経験から言うと、家族という気がする。

金:家族ですか。
  後、何をとるか、何を返すか、ですかね。
  少なくとも言語で返すというのは違うようにも思ってます。
  インタフェースの実験で、人の言ったことを「どうして~したの?」のような返しをするシステムの実験があって、ソレは反応がまっぷたつだった。
  怒る人と、内省する人と。
  スターウォーズのC3POとR2D2でもそういうのはありますね。
  人型で等身大、言語を扱うC3POよりも、何となくコミュニケーション、人型でないR2D2のほうが人気がある。

水:そうですね。

金:で、何を返すかなんですけど、返し方も間接的でもいいのかなと思います。
  正直、くま型の機器が2種類出た時に、「通信かー」って思ったんです。
  依り代効果みたいなものはあるかもしれないですけど、通信機能がついた時のプライバシーみたいなものが気になって。
  水田さんじゃないですけど、何となくご家族がSNSとかをチェックしているっていうことは気にしているということの現れだと思うので、ペットみたいにくまきゅが甘えてくるとか、そういう出力もあってもいいのかもしれないですね。
  後は、「気付き」みたいなレベルで本人に返しても面白いのかなとも思います。
  同じ振る舞いや強さで「きゅっとしてくる」とか。

水:ああ、それはどうだろう?
  私は自分のことにそんなに関心が高くないというか、好きじゃなくて。
  ログとっているのもメモとか記録なんです。
  確かにインタラクティブなのは嬉しいかもしれないですが、自分と同じというのはさほど嬉しいようには思えなかったですね。
  ちょっとサプライズのような感覚を含む方が嬉しいのかもしれないです。
  SNSとか、間接的なログの取得は、何となく親友とかに伝わるのはいいかもしれないですけどね。
  まだ、覚えてくれていて、プレゼントも大事にしてくれているというのも何となく伝わるといいかもしれないですね。
  

■水田さんとのキャッキャウフフな時間終了…


金:あ、もうお時間ですね…(悲)

水:そうですね。
  でも、面白いですね。
  ああいうものを作っておきながら、本人はすごく好きなわけではないっていうのが(笑)

金:えっ…ああ…変ですかね…

水:うふふふ(笑)

金:ええっ…(汗)

■水田さんのインタビューを終えて

水田さんのお人柄もあると思いますが、暖かい感じのインタビューでした。でも、働く女子、ご自身の作ったご経験からのお話も興味深い!
つくる、考えるを担当される方は専門性の高さから、ついユーザーの目線や市場性などのバランスを失いがちですが、水田さんはその感覚が自然で、いろんな観点をお持ちだなと感じました。

そして、女子インタビュー!雰囲気のいいカフェで、緊張しました~。
生活とか、気持ちとか、様々な観点で人への関わり方を考えさせられました。
ノロケは割とお腹いっぱいです(笑)


画像は教えていただいたお店のお寿司!おいそかったです~♪

メイカーズインタビュー#5 水田 千惠 さん 前編

■カフェで女子インタビュー…

こんな模様の入ったコーヒーとか、久しぶりです…
金子(以下金):ウ、ウマー…何このおいしいモカ…ま、まろやかー
 つーか、ミルクフォーム入れて模様作ってくれるとこなんて久しぶりに入ったよ…
 というか、インタビューはこれまで居酒屋、ブラジル料理屋、会議室だった…(なにかしょっぱい)
 おしゃれカフェ…緊張するわ…

水田さん(以下水):こんにちわー

金:あ、あわわ、こんにちはー

水:今日はインタビューってことでしたよね?

金:あ、そうですね。
  実はくまきゅ作った後、どうしようかと考えてまして…
  いろんな「創る側」の人にインタビューをしているんです。
  とは言え、まあ、ゆるい感じなので、普通にメイカーとの対話っていうか、好きなことをお話し頂いている感じです。
水田さんはメイカー界隈では有名なメイカー女子なので、お願いをしたんです。

水:あ、そうなんですか~。うふふ。





■正直、くまきゅは何がウケたかわからない…ん…です…

女子が来た!しかもかわいい!(きゅん
金:少しだけお伝えしたんですけど、くまきゅの次のヒントを得たくて、今日はインタビューにお願いしています。
  ショッカソンでくまきゅを作った後、何かやりたいというか、MFTには出したいという話があるんです。
  で、まあ考えてみたんですけど正直くまきゅ何がウケたんだろねって(笑)

水:えっ、そうなんですか?(笑)

金:私自身は、ショッカソンは触覚の可能性を知りたいというか、インタフェースで触覚を取り扱うに際しての勉強という意図で参加しているんです。
  正直、ぬいぐるみはかわいいと思いますが、買うほどではないし、よくわからないっていうのが感想で…。

水:そうだったんだ~(笑)

金:水田さん、体験の時に触りに来てくれたんですけど、何が良かった…んですかね?(笑)

水:うーん、キュッとすることでキュッとし返してくれるフィードバックの心地よさっていうのはあると思います。
いちいちかわいい
シンプルな気持ちよさ、みたいな。


金:それは、何となくありますね。
  単に心地いい、みたいな。
  一方で、何か、くまきゅの外見によるところも大きいと思うんですけど、期待する振る舞いみたいのってあるんですかね?
  それとも、何かくまきゅがそうしてほしいように思えるとか。
  あれはくまであってくまでないと思うんですけど(笑)
  ギュッとされるのが嬉しいって何の欲求を反映しているのかなあ、と思うんです。

水:私もくまのぬいぐるみを枕元に置くことがあるんです。
  旦那さんが長期出張でいない時に、そういうものが欲しいタイミングがあるんですね。
  で、枕元において、自分の耳元にふれるようにして、こうやって(笑)

金:かわいいですね(*´∀`*)(水田さんが)
  あっ、ノロケですか!?(笑)
  ふれあい欲みたいなものなんですかね?

水:そうなのかも。

金:やっぱりくまの形がいいものなんですかね?

水:ああ、くまきゅは大きさとか手触りとかもある気がする。
  くまの形でなくてもいい気もするけど、一緒に寝ているぬいぐるみは特別感はあります。
  大学時代の親友にもらったタフィーちゃんというぬいぐるみなんです。
  手触りとか、柔らかさとかもありますが、もらったという特別感含めて好きなんだと思う。

金:私は正直、くまでなくてもいいとは思うんですけど(笑)
  見た目ってやっぱ大事なんですかね?

水:そうかも。
  手触りとか、目線とか、耳が垂れているとか、色々気に入っているんですけど…。
  うーん、でも、「かわいいからいい」じゃない気もするんです。
  目の感じとかも好きは好きなんですけど、親からもらったとか、親友からとか、そういうのも大事な気がする。
  幼いころに、いとこのおねえちゃんにもらった猫のぬいぐるみもとても気に入っていたんです。
  でも、顔が可愛くなくて(笑)

金:ええっ(笑)

水:でも、もらった嬉しさとか…慣れですかね?
  旦那さんみたいな感じなのかも(笑)

金:(ノロケ放題なんですけど…)

水:後は、ふわふわで丸っこい形状というのもいいのかもしれないです。
  私は、丸っこくて、大きなサイズ感もキュンとするところがあって。
  大学時代のブラジル出身の学友がやっぱり丸っこくてやや大きい(笑)んですけど可愛くて、抱きつきたくなってしまいます。

金:(ノロケから脱出した…)
  人型ってどう思いますか?
  石黒先生のテレノイドやジェミノイドみたいなものもありますが…。

水:テレノイドは体験していないので何とも…。
  ジェミノイド…なのかな?Tokyo Designer's Weekか何かで見かけたんですけど、私の見たのは、精巧なんだけど、まだぎこちなさを感じる部分はありました。
  人型ってやはり人間と比較してしまうのかも。
  そういう意味で言うと、人型でなくてもいいのかもとは思います。

■のろけられつつ、ロボットの理想のカタチを次回から探ります!

自分も作る、考える、ユーザーとしての目線も忘れないという素晴らしいバランスのご意見、男子やガチ勢からはなかなか聞けないご意見が出てきました。後編もぜひ!

2016年7月11日月曜日

メイカーズインタビュー#4 北構 武憲 さん 後編





■くまにきゅっとされる北構さん

わーいイチゴ大福

迂闊にもインタビュアーを変人扱いした北構さん、ここらでくまにきゅっとされていただくことにしました。


ゆるインタビューは続く…。


■変態の中に入れば変人も普通に見える相対性の恐ろしさ


北:でも、大変じゃないですか?そういう(変態勢と変なものを創る)やっていくのって…。

金:うーん、でも楽しい?んですよね。

北:マラソンとか登山と一緒で辛いけど楽しい!みたいなことなのかな?

金:かもしれないです。

  後、チームの皆さんが突き抜けすぎてて、ついていくのにやっとなんですけど、興味深くて抜けられないというか()

北:お話を聞いていると、やり始めると止められないっていうのは感じますね。

金:そうなんですよね…。

  ちょっとだけ見ていこうかな、って扉を開けて、1歩踏み出したら、床がなくてその世界から抜けられなくなったっていうか…。

  変態さんたちに引きずり込まれたっていうか…。

北:あはは()

  でも、マラソンとかと一緒で、実業団の選手と走っていると普通の人も速くなる、みたいな効果はありそうですよね。

金:マラソンだと例えが良いですけど、変態度だとどうなのか…()

  プログラミングとかハードウェア設計とかで考えると、全然「速くなる」とかってこともなかったですね(ガックシ)

  やはり皆さんプロレベルなので、普通の人、というか、凡人がちょっとご一緒した程度では変わりはなさそうです。

  一朝一夕で身につくものではないですね。

  でも、そういう変態さんたちとのコミュニケーションスキルは身につくものがあったかも()

  私が入ることで、ユーザーへのとっつきやすさとか、普段の生活に、新しい何かが浸透していくシーンを考えることはできるかもしれないですけど…。

  ああ、お話してるとやっぱり思うんですけど、北構さんは言語化能力が高くて、安心して喋れています…変態じゃないとはいいませんけど…()

北:ええっ()

  うーん、でも翻訳に近いかもしれないですよね。そういうスキルって。

  やっぱりギークな人たちはその人達の文化や言語で突っ走るから。

  橋渡しと考えると、まさに翻訳だと思います。

金:そうですね、変態の言いたいことを如何に変態っぽくなく包み隠しながら伝えるか…()

北:あははは()



■伝える手段の多さが生み出す成果

イチゴ大福うましうまし

北:話はまたコミュニケーションというか、表現手段の話に戻しますね。

  今日、お話をしていて、やっぱりネット上での文字情報の整理は、もうある程度成熟したなと思いました。

  音声や触覚や違うものを考えてみると面白いというか。

  データ分析って定型、一種類、とかから、非定型、複数種類って変わってきたので、そういう変化を迎えているんだと思います。

  Googleもやっぱり解析して、結果から、何か違うことを導き出すんだろうなと思います。

  文字の整理をして、画像・動画の整理と、目から入るものはある程度できたから、次は音声、次は匂いというようになってくのかもしれないですね。

  将来的には、身振り手振りみたいな身体的な動きをGoogle的に整理しだすかもしれない。

  そういう一種情熱を通り越したクレイジーさみたいなのがあって、以前はもっと顕著だったんですけどね。

  あらゆるモノ・コトを整理したがっているのかなと思いますね。

  まだ顕在ですね。

金:うーん、そうですね、最近は価値観と時代の再構築の時期かなと思うところがあるので、整理は重要かもしれません。

  新しい価値を考えるために、一度カテゴライズも含めて再構築が必要だと感じているひとが多い気もします。

  新しいものと出会ったときに、自分が従来の価値観でいるなと思うことがあります。

北:僕の知り合いで、大学出て自分でウェブを作って生計を立てている自称ニートの友達がいて、最近はバイラルメディアのサイトを運営して食べてるみたいなんです。

  彼が言うには、人間の感情の喜怒哀楽のうち、最もスイッチ押しやすいのは「怒」と言うんです。

  人を怒らせる記事はあまり原稿を書き慣れてない人でも書きやすいし、読者からの反応が大きいと彼は言います。

  泣かせる記事も読者の反応は高いんですけど、書くのが難しいみたいです。

  で、読者を喜ばせるのは最も難しいとも言ってます。

  お年寄りを大事にしない話とか、男女間での「相手がわかってくれない」話とかの怒りって喜怒哀楽の中では作りやすいみたいなんです。

  バイラルメディアはコストをかけずに集客しやすいと言われますが、それは人間の感情を刺激している側面があるからと教えてもらいました。

  一方で、感動させるとか喜ばせるっていうのは難しい。

  創作ではなかなかできない。

  怒りってスイッチは押しやすくて、普段の不満やストレスに乗じて爆発させやすいし、押された本人はコントロールしにくいので、なかなか押さえられない。

  ネットとか、そういうメディアに慣れていない人たちが触れると難しいものみたいですね。

  北海道の熊の話でも、「撃っちゃダメ!」みたいにいう人が居たりするんですけど、一方で現地で暮らしている人にとっては死活問題かも知れない。

  ネットが普及してから、そういう背景情報とか事情を汲めずに、一方的に見て怒ってしまう人が出てきている。

  そのエネルギーをポジティブな方向へ使ってほしいなと思います。

金:なるほど。メディアとしても、そういうバイヤスをかけやすいのかもしれないですね。

  私は自身の仕事では、新しい価値創出のために生活者の生活実態を見て、多角的に情報をとって、文脈や背景の中で事象を捉えて、というのを支援しています。そうすることでバイヤスがとれて、ものごとを新たな観点でみることができることもあるんですね。

  それでもバイヤスを取り除くのは難しいですが。

  怒り…ねえ、多角的に物事を観るって才能というか、スキルというか、結構難しい気もしますが、ポジティブな方向へ向けるのってどうするんですかねえ?

北:うーん、難しいですよね。

  白黒付けたい人が可視化されるようになったとは思います。

  僕の中では、ネットってグレーは伝えづらい手段な気がしていて。

  文字や情報量多いと全体像が捉えきれなくなる。すると、概論ありきで箇条書きにしたり、結論をすぐにつけたがる気が。

  そういう意味でもコミュニケーションは機微を大事にするために表現手段が多くあるべきと思うんですよ。

  昔、ポケベルって数字の羅列とかだったわけですけど、今は暗号みたいに思えますよね。

  もしかすると未来から見たら、文字だけで表現とか、暗号みたいだねってなるかもしれない。

  将来はもっとリッチで機微が多く伝えられる世界になるかもしれないですよね。

金:ああ、なるほど。

北:文字の世界から飛び出したり、ディスプレイじゃなくなるのかもしれないです。

  今だったら技術も追いついてきているし。

金:そう思います。



■くまきゅが面白い理由


金:ああ、で、くまきゅの話をしてないですね()

北:あ、そうでした()

  きゅっとしますよ()

金:おお、していただけるんですね()

  ところで北構さんは何故くまきゅを面白いと思ってくださったのかは知りたいなと思っていたんですよ。

  実は私はくまのぬいぐるみに熱烈に愛着があるわけでもかわいいと思うわけでもないんですよね…。

北:ああ、かわいい!ってならない人なんですね?

金:人形とかもやや苦手かも…まあ、知らないだけかもしれないんですけど。

北:ホラーっぽい感覚ですか?

金:うーん、そうなのかな?人型だけど人じゃないからじゃないですかね?

  人形がお好きな人の感情の大きさも私にはまだないですしね…。

  犬とか猫とか、赤ちゃんとか、現実のものは好きですが。

北:ほおー。

金:考えたくせに言っているのはちょっとあれなんですけど、くまきゅはなぜ面白いと思ってくれるのかな?と。

北:ああ、癒しなのかもと思います。

  テレノイドは体験してみて、すごいよかったんですけど、実は自分は疲れているのかなって思いました()

熱烈っぽく見える
  ぎゅーっとすると、なんか、ストレスみたいなものがじわーっと溶けてく感覚がありましたね。

金:癒しですか…。

  癒しってなんですかね?

北:うーんなんでしょうね?

  欠け?ささくれ?難しいですね。

  金平糖みたいにとげとげしたものを丸くするのかな?

  欲求不満みたいな感覚なのかな?

金:ああ、似たようなことは思いました。

  原始的な意味でのふれあい欲求みたいなものかなと。

  反応するのは子供と男性が多い気がしたので…見てくれる場に男性の方が多いというのはありますが。

北:ああー。

  ストレスっていうか、もやっとしているんですよね。

  埃の塊的な。

  胸につかえてきたら吐くと楽になる、みたいな。

金:あはは、面白いですね。猫を飼っていらっしゃるから…()

北:テレノイドもそうだったんですけど、瞬間的な「おお、これいい!」じゃなくて、じわじわいい、みたいな感じなんです。

  ぬるいお風呂入ってるみたいな。

  テレノイドは、可能ならずっとこのまま抱いてたいなーみたいな感覚もありましたね。

金:ああー…なるほどですね。

北:うーん、もう一方で、思うのは、アニメの普及みたいな感覚ですね。

  昔ほど嫌がられてなくて一般的になってきたというか。

  若い人もライトにアニメを見るということを楽しむし、大人だって、好きだといっても嫌な顔はされないようになってきた。

  アイドルもしかりですよね。

  だから、いい大人がぬいぐるみを抱きしめて癒される時代になっていくのかもしれないですね。

金:そういうものに近いのかもしれないです。

  くまのままいかないかもしれないですけど。

  くまが適切ならくまですけど。

  吉崎さんとも「ねこきゅ」とかでもいいなとは言ってて()

  あ、それはあまり本質的じゃないですけど。ペン型とかでもいいんですよ。

北:猫型かも?(キラキラ)←猫好き

金:にくきゅ!って吉崎さん言いました()



■もうお前はテレノイドを見に行くしかないんだ


北:でも、テレノイドって…

金:みなさんテレノイドを猛烈に押してくださる()

北:いやあ、でもコミュニケーションロボットの領域で最先端は石黒先生と僕は思ってます(真顔)

  ちょっとでも概念を広げようとしているのはくまかなと思いますよ。

  進化の伸びしろがなくなるほど洗練されると、ミニマムな要素になると思います。

  テレノイドはそういうものなんじゃないですかね?

金:うーん、ユーザー自身が妄想や欲求をぶつけられる素地だったらいいのかなとは思います。

  今まではなしてきた皆さんともそういう話をしているし。

  どういう世界を実現するのかは少し迷っていますけど。

北:うーん、前段で話したGoogleもそうなんですけど、よくわからないけど便利とか、落ち着くとか、そういう動機で使われればいいのかなと。

  資本主義の中では勝手にお金がついてくるようにしてくれる気もするし。

  理屈とそうじゃないものがどちらが先に行くのかわからない。読めないから。

  やったもん勝ちなところはあると思います。

金:そうですね。

  テレノイドは体験をまずしてみたいです。

  新しすぎて見ただけではわからないから、体験をしてみたい。

北:僕は、テレノイドを体験した時は、得も言われぬ、文字で表現できない感覚が沸き起こりました。

  ロボットに関わって以来、1,2を争うくらい強い新鮮さ?でしたね。

  弊社代表と行ったんですけど、なんだこれ!みたいな。

  ふたりとも衝撃を受けたんです。

  でもお互いに文字にできないんですね。でも共通体験として盛り上がれる

金:やまざきさんと話をした時も、新しい物って「ソレ」とか「アレ」とかなんですよね。

  「お前、アレじゃね?」「アレ、アレ!」みたいな()

北:誰かが最もフィットする言葉を発明してくれるんでしょうね。

  そうするともう、「アレ」は世の中に浸透しているのかもしれない。

  僕もネットが浸透していくさまを見てきたので、そう思うところがあります。

金:(あっ、案外真面目に返された…)



■やっぱり石黒先生は最高峰

北:僕は今、石黒先生の著作を読んでいるんですけど、やっぱり先生は突き抜けてますね。

  今、ロボットとか、Pepperとかやっている人がしている議論は、だいたい石黒先生が通ってきた道のように思えてきて。

  哲学的な側面とか、UI/UX設計とか、何をとってもそう感じます。

金:皆さん仰いますね。

  私も、イシグロイド、ジェミノイドを見た時に、これはロボットだけでなく、色んな物のデザインをつきつけられていると思いました。

  人を再現しているんじゃないんですよね。

  人間とは何か、とか、生死の概念を変える、とか、人との関係性、社会における生死とはなんだろう、と思わされました。

北:そうなんですよ。

  大学とも、イシグロイドが講義をしても講義料は発生しないけど、ご本人が講義すると発生する。

  では、毎回僕がロボットでない、人間であるとどう判断しているのか、ということを仰っているのを見ました。

  もう人間の定義が揺らぐんですよね。

金:バイオアートやバイオ融合プロジェクトのようなものの中でも、従来の価値観を覆すような、そういう議論があります。

  材料を細胞にしただけで、なぜ部品に倫理が発生するのか、とか。

  生死の境ってどこなの?みたいなこともありましたね。倫理観と疑問提起性の両方が混じった議論でした。

  石黒先生の活動そのものが、改めて物事を見直すきっかけになっていますね。

  私は、好きも嫌いも強烈な「関心の高さ」だと思っていますが、石黒先生は人間にとても関心の高い方だなと思います。

北:これは…機会があれば是非、テレノイド体験をして、体験している自身を客観視してみたいです。

  で、石黒先生にもお話伺いする機会あるといいですねえ…。




 ■インタビューを終えて


北構さんは、観察者としての観点が多く、詳しいんだけど、広い、みたいなお話が聞けました。

後、こっちの話を引き出すのが上手い!言語化もうまい!さすがっす…。

くまきゅは「きゅっとされたい」人が多い一方で、「きゅっとします」という能動型で仰ったのも興味深かったです。これからもユーザーとしてのデータ提供をよろしk、いや、なんでもないです。



石黒先生推し…はわかるんですけど、最高峰は高いところにあるのです…。(ゆるくてとても許されない感あります…